お経とは?写経を通して贈る母への想い
お経は亡くなった方のためのものではなく、周りで聴いている生きている人たちに向けたお釈迦様のアドバイスって知ってました?
そもそもお経は紀元前5世紀ごろにインドで最初に誕生したといわれていて、そのお経の元になる教えを説いたのはブッダとも呼ばれているお釈迦様。
お釈迦様は裕福な家庭の子どもでしたが、生まれてから一週間で母と死別した事もあり、その後どんな人にも必ず老いや病気や死が訪れるという世の中の現実を見て苦悩するようになったそうです。
そして29歳の時に家を出て修行。
お釈迦様は断食などの様々な苦行や深い瞑想修行などを通して35歳の時に菩提樹という木の下で悟りの境地に…
どんな悟りを開いたのか?は悟りの表現によって色々あるものの、
代表的なものが「三法印(さんぽういん)」
三法印とは、
- 諸行無常 (しょぎょうむじょう) この世の全てのモノは変化し壊れていくという意味
- 諸法無我 (しょほうむが) 自分中心にモノを考えてはならないという意味
- 涅槃寂静 (ねはんじゃくじょう) 欲望や憎しみなどの自分勝手な思い込みを無くすことで苦しみが消えて楽になれるという意味
の3つの教えの事。
三法印というのは決して私たちがこの世で安楽で、快適な豪華な生活が出来るようになりますよと言っているのではなく、より良い生活をひたすら追い求めるという気持ちを捨てるだけで楽に生きられますよというのが三法印の軸になる考え。
お釈迦様は80歳で亡くなりましたが、生前残していた教えを後で弟子たちが文字にしてまとめたものがお経で、いくつものお経がありますが非常に人気の高いお経として誰でも聞いた事がある般若心経 (はんにゃしんぎょう)で、その軸になるのは実体がない『空(くう)』という考え方。
思い悩むことがあっても何事にも執着せず、囚われずに生きていこうというアドバイス。
この般若心経 (はんにゃしんぎょう)をひと文字ひと文字、書き写す「写経」というものがあり、
先日東京・五反田にある、奈良の薬師寺の東京別院で写経に訪れる人たちのドキュメンタリー番組【写経 ~心の旅~】を目にした。
書くと無になれて心休まる、ほっとする、すっきりするという方もいましたが、写経をするようになったきっかけは人それぞれで深い事情がある方も多く、書くことで誰かのことを願ったり自分の気持ちと向き合ったりと様々な想いで写経をしていました。
その中のお一人の男性が
《私の母は認知症で誕生日や母の日に何かをプレゼントしても何もわかりません。だから私は母の日に母の健康長寿を願って写経を書いています。お母さん、心からあなたを愛し想っています。》
と母親の健康を願って写経を続けていると語っていました。
一瞬切なさを感じましたが、なんて綺麗な心の持ち主なんだと心があらわれる気持ちになりました。
以前はご葬儀の時宗教者の方がお経をあげるのは亡くなった方に唱えるものだと思っていましたが全く違かったんですね。
弊社セレモニーサポート・オンリーワンは宗派問わず・無宗教でもサポートいたしますので何でもご相談ください。
最後に
お経は生きている私たちに向けて唱えているものなのに、なぜ仏様を向いてお経をあげるのか?というと…念仏やお題目など仏様に向けて唱える言葉もあるので、お寺様は仏様の方を向いているのだとか。
山岸